仮想通貨のニュースを追っていくと、「ICO」という単語を目にすることがあります。

このICO、仮想通貨の投資をするならぜひとも覚えておきたいキーワードです。この記事で基礎から解説していきましょう。

ICO(Initial coin offering)とは?

ICOの正式名称であるInitial Coin Offeringは、直訳すると「初めのコイン売り出し」などという意味になります。「クラウドセール」「トークンセール」などの表現もよく使われています。

ごく簡単に言うと、仮想通貨を発行して、取引所を介さずに一般人向けに売り出すことです。
この際、ホワイトペーパーと呼ばれる事業計画書を公開するのが一般的です。買い手はホワイトペーパーによって、そのICOの目的や意義について知ることができます。

ICOの目的

ICOには大きく分けて3つの目的があります。

資金調達

もっとも大きな目的は、資金を集めることです。

仮想通貨は個人であろうと小さな団体であろうと、誰でも発行できるという特徴があります。これを生かしたICOは、金融機関などから調達する従来の方法よりも、ずっとスピーディーでスムーズだと言われているのです。
国内でも100億円以上もの資金を集めたという例もあります。

参考リンク:テックビューロが『COMSA』ICOのトークンセールにおいて、国内初で最大の100億円を突破
https://comsa.io/ja/54234.html

通貨にあらかじめ価値を持たせる

仮想通貨にとってひとつのゴールは、取引所に上場して誰でも売買できるようにすることです。

上場するには取引所の審査に通過しなければなりませんが、そのためには将来有望だと判断される必要があります。
ICOはまだ上場していない仮想通貨を売りに出すことです。これで一定の結果を出せば審査通過のための大きな材料になりますし、さらに上場した際の価値が高まると期待できます。

ただの金稼ぎ

ビジネスでも何でもなく、ただの金稼ぎ目的でICOを計画するというケースです。詳しくは後述しますが、多くはグレーゾーンな案件です。

ICOとIPOの違い

ビジネス開始前の資金調達といえば、株式発行があります。証券取引所に上場して株の取引ができるようにすることをIPO(Initial Public Offering)と言います。日本語では「新規上場株式」と表現します。
不特定多数から資金を調達し、支援してもらうという点では、ICOとIPOは共通しています。しかし次のような特徴がICOにはあります。

ICOは自分たちでルールを決められる

IPOは証券会社が、いわば監査役となって問題が発生しないように業務を進めます。しっかりした基準があり、売り手も買い手もその基準に従わなければなりません。
一方、ICOはどこか特定の機関が入り込むことがありません。そして基準は仮想通貨の発行側が自由に決めることができます。これが資金調達がスピーディーに行える最大の理由です。

ICOは優待権を得られない

株を購入するメリットのひとつは、株主優待です。レストランでの食事や、その企業の製品を受け取れるといった特典があります。
しかしICOでは発行側に優待の義務はないので、発行された仮想通貨を保有しても、その手のサービスを受けられることは期待できません。

ICOは議決権を得られない

株を一定数持っている人は、株主総会に出席できます。また、会社の経営に口出しすることも可能になります。
しかしICOで発行された仮想通貨を持つことで、そういった権利を得られることはありません。

ICOとクラウドファンディングの違い

不特定多数から資金を募る手段として、クラウドファンディングもよく知られています。これとICOの違いは何でしょうか?

ICOは出資者に仮想通貨のみを発行します。一方のクラウドファンディングは、出資者に物品などのリターンを用意するのがスタンダードです。それも出資額に応じて何種類かのリターンが用意されます。
郵送などの負担が少ないという点では、実体のない仮想通貨を発行するICOに軍配が上がるでしょう。

ICOのメリット

資金調達のためのICOですが、メリットがなければ出資者は集まりません。ICOにはどのようなメリットがあるのでしょうか? それはズバリ、1つだけです。

ICOで売りに出されるのは、取引所に上場する前の仮想通貨ですから、まだたいした価値はなく、安価で購入できます。
そして安いということは、多く購入できるということです。
あのビットコインも、最初の頃はほとんど無価値だったことを考えれば、ICOで購入した仮想通貨で、想像を遥かに超える利益を出せるかもしれません。投資の対象としては、かなり魅力的でしょう。

ICOのデメリット

前述のとおり、いくら購入しても優待権や議決権がないことがデメリットですが、それ以上に気をつけるべきは、せっかくの仮想通貨が発行側の業績悪化や倒産などで、無価値になるリスクです。

何しろICOはまだ歴史が浅く、成功例がさほど多くありません。IPOのように証券会社の審査がないので、価値も保証されません。
また、仮想通貨には現実の貨幣と違って、さまざまな付加価値をつけたりシステムを構築できます。そのことを利用し「この仮想通貨でお金儲けの仕組みを作れる」と、いかにもグレーゾーンでハイリスクなICO案件も中にはあります。最初から完全な詐欺目的、というものも……。

そんなリスクがあっても、ICOの投資家は保護されない。これが最大のデメリットです。

まとめ

現在、ICOを始める企業や団体が次々に現れています。業界内のルールも徐々に整備されていくことでしょう。デメリットがあるのは確かですが、それらをしっかり把握して慎重に情報収集すれば、リスクは避けられるはずです。

ICOで投資をしようと考えるなら、まずはホワイトペーパーを熟読することです。そして本当に自分にとって価値があるかを考えましょう。ハイリターンの魅力があることは間違いないので、これはというものを見つけてみてください。

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