G20とは?

G20(Group Twenty)とは、20カ国財務相・中央銀行総裁会議という意味です。

世界20の主要な国と地域、そしてIMF(国際通貨基金)や世界銀行を加えたメンバーで定期的に行われる会議です。

G20では国際金融システムや財政政策に関して議論し、世界全体の安定した経済成長を目指しています。

 

G20参加国の合計GDP(国内総生産)は世界全体の85%を占めるとされており、G20の国際的な影響力の高さがよくわかります。

世界経済の成長ペースは毎年加速してきており、話し合うべきことも多くなっていることから開催頻度も年々増加しています。

G20参加国は以下の20カ国 (EU含む)となっています。

日本 韓国 中国 インドネシア インド
サウジアラビア 欧州連合(EU) フランス ドイツ イタリア
イギリス カナダ メキシコ アメリカ合衆国 アルゼンチン
ブラジル ロシア トルコ 南アフリカ共和国 オーストラリア

 

前回・3月のG20について

開催概要

前回のG20は3月19、20日にかけてアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。

G20史上初めて仮想通貨に関して議論され、以下の内容が議題に上がるのではと事前に予想がされていました。

・仮想通貨のマネーロンダリング対策

・投資家、利用者保護のための規制強化

財務省・浅川財務官が「仮想通貨に関して積極的に議論したい」と話していたこともあり、日本主導で仮想通貨に関する規制が実施されるのではないかと話題に上がっていました。

日本経済新聞-浅川財務官、仮想通貨「19年のG20でも議題に」

 

話し合われた内容

財務省のホームページにはG20で話し合われた内容が日本語約され発表されています。

財務省-20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年3月19-20日

声明の中では仮想通貨に関して以下のように言及されていました。

我々は、暗号資産の基礎となる技術を含む技術革新が、金融システムの効率性と包摂性及びより広く経済を改善する可能性を有していることを認識する。しかしながら、暗号資産は実際、消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産は、ある時点で金融安定に影響を及ぼす可能性がある。我々は、暗号資産に適用される形でのFATF基準の実施にコミットし、FATFによるこれらの基準の見直しに期待し、FATFに対し世界的な実施の推進を要請する。我々は、国際基準設定主体がそれぞれのマンデートに従って、暗号資産及びそのリスクの監視を続け、多国間での必要な対応について評価することを要請する。

財務省-20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年3月19-20日

技術面に関して好意的な印象

仮想通貨に使用されている技術は今後の経済を改善する可能性がある、として技術面に関しては好意的な姿勢を示している事がわかります。

ここで言われている「暗号資産の基礎となる技術」はブロックチェーン技術の事を指していると考えられます。

国際的にもブロックチェーンが現在の経済を変える可能性が高いことは認識され、期待されているようです。

マネーロンダリングなどの対策が求められる

しかしながらマネーロンダリング、脱税を始めとする問題に対して対策を講じる必要があるとしています。

現時点で具体的な規制がされることはなかったものの、FATFに基準の見直しを要請しています。

FATFとは「金融活動作業部会」のことで、マネーロンダリングやテロ資金に対して対策、国際的な推進を行っている政府機関です。

FATFには35の国と地域が加盟しており、仮想通貨に対する規制も3月のG20を機に話し合われています。

仮想「通貨」として認められていない

3月のG20では初めて仮想通貨が議題に上がりましたが、あえて「仮想通貨」ではなく「暗号資産」と表現しているところに違和感を覚えます。

「ソブリン通貨の主要な特性を欠いている」とも言及されているように国際的には未だ「通貨」としては認めていない事が汲み取れますね。

ソブリン通貨とは政府や国が発行して保証する通貨の事を指します。

金本位制発足時に発行された、金に基づくソブリン金貨に由来しており、「価値の裏付けが保証されている通貨」という意味合いがあります。

G20では仮想通貨は「価値が保証されていない」として通貨と認められていないことがわかります。

 

3月のG20まとめ

3月のG20では以下のような事が話し合われました。

・「仮想通貨」ではなく「暗号資産」である

・仮想通貨に使用される技術は経済を変える可能性がある

・今後FATFによってマネーロンダリング等の対策、規制が求められる

期待されていたような利用者のための規制強化や、具体的なマネーロンダリング対策がされる事はありませんでした。

しかしFATFに対策を要請したことから、仮想通貨の国際的な法整備に向けて一歩踏み出したという印象です。

 

今回・7月のG20について

開催概要

今回のG20は7月21、22日にかけて、前回同様アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。

事前の予想では米中間の貿易摩擦問題から貿易の話がメインになるとされており、仮想通貨に関する話は多くは出ないと考えられていました。

同時に前回保留となったマネーロンダリング対策や規制強化についてどのような進展があるかが期待されていました。

 

話し合われた内容

財務省のホームページにはG20で話し合われた内容が日本語約され発表されています。

財務省-20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年7月21-22日

仮想通貨に関しては声明の第10項に次のように言及されていました。

 暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。しかしながら、暗号資産は消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていないが、我々は、引き続き警戒を続ける。我々は、FSB及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための更なる作業を期待する。我々は、FATF基準の実施に関する我々の3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める。

財務省-20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年7月21-22日

技術面に関してはより重要性が上がったか

前回もブロックチェーン技術に関しては「経済を改善する可能性がある」とされていましたが、今回は「重要な便益をもたらしうる」と、より強調されている印象があります。

引き続き技術面に関しては国際的な期待がかかっていることがわかります。

FSB及び基準設定主体からのアップデートを歓迎する

FSBとは金融安定理事会のことで、国際金融に関する措置や規制を行っている機関です。

前回議題に上がったFATFに追加して他の団体にも仮想通貨の国際基準を定めていけるよう呼びかけています。

現時点ではグローバル金融システムにリスクをもたらしていない

現時点では仮想通貨が世界全体の金融システムに影響を与えることはないとされています。

仮想通貨は現在、世界全体の金融資産のうちの1%にも満たないため、影響力が少ないと考えられている事がわかります。

しかし「引き続き警戒していく」と述べていることから、国際的にも仮想通貨は今後シェアを伸ばしていく可能性があると見られていると考えられます。

FATFに対して2018年10月に仮想通貨の基準を明確にすることを要請

前回もFATFに対してマネーロンダリングの対策を講じ基準を明確にすることを要請していましたが、今回は10月とより具体的に期限を設定しています。

現時点で進展はなかったものの、次回のG20までには具体的な基準が設けられる可能性が高そうです。

 

7月のG20まとめ

7月のG20では以下のことが話し合われました。

・FSBや基準設定主体も協力して仮想通貨の国際基準を定めるよう要請

・FATFに対して2018年10月に仮想通貨の基準を明確にすることを要請

前回と比較してあまり進展は見られなかったものの、国際基準の制定に向けてより具体的な道筋が定められました。

次回のG20では仮想通貨の国際基準制定、マネーロンダリング対策に関して具体的な進歩があることに期待です。

 

G20会議の影響は?

仮想通貨規制に関して今後の方針は定まったものの、具体的な対策はなかったため今回のG20によって影響を受けた団体や取引所は少ないと見られています。

 

BTC価格は一時2万円ほど値下がりしましたが、内容が発表されて4万円ほど上昇し、最大で85万円をつけました。

3月のG20では5時間で一気に10万円の価格上昇を見せたため、今回は控えめではあるものの確実な高騰を見せています。

際立った好材料はありませんでしたが、7月のG20で何かしらの規制が合意されると思われていたため反発したと考えられます。

 

みんなの反応は?

国際的な基準整備という意味ではあまり進展はありませんでしたが、価格は順調に上がっていったため投資家目線で見るとプラスの印象という見方が多そうです。

 

まとめ

7月で開催されたG20では次回開催に向けた具体的な基準整備の道筋が示されました。

ゆっくりではあるものの国際的にも仮想通貨の基準整備が進められている印象です。

根幹となるブロックチェーン技術は期待されているというのもあり、このまま整備が進めば2020年頃には本格的に実用化されている可能性もあります。

今後のG20の動向にも引き続き注目していきましょう。

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